ポワント(トゥシューズ)が上手くなる方法|立てない・甲が出ない・ぐらつくを解いていく

ポワント(トゥシューズ)が上手くなる方法|立てない・甲が出ない・ぐらつくを解いていく 大人バレエが上手くなる方法

バーレッスンが終わり、ポワントを履き替える。紐を縛り直して、バーに手を添えて、そっとつま先に体重を移す。

ぐらっとする。もう一度やってみる。今度は上に乗りきれなくて、半分だけ上がった感じになる。「立つ」という感覚が、まだちゃんとつかめていない——。

甲も、先輩たちのように美しくカーブして見えない。ぐらぐらして怖くて力んでしまう。週2でレッスンに通っていても、なかなかここだけが前に進んでいる気がしない、という方は少なくありません。

この記事では、トゥシューズで起きやすい三つのつまづき——立ちきれない、甲が出ない、ぐらつく——を分けて整理します。

まず大前提として:ポワントは必ず先生の指導のもとで

まず大前提として:ポワントは必ず先生の指導のもとで

トゥシューズは、足首の可動域・足裏の筋力・体幹・ターンアウトなどが十分に育ってから履くものです。

大人からバレエを始めた場合、トゥシューズを履けるまでに2〜3年ほどかかることも珍しくありません。個人差が大きく、レッスン年数だけで決まるものでもありません。焦って自己判断で無理に履いたり、ひとりで立つ練習を重ねたりすることは避けてほしいところです。

トゥシューズを履くタイミングも、立つ練習も、必ず先生の指導に従ってください。自己判断で進めてしまうと、足首や膝に思わぬ負担をかけることがあります。

この記事の内容は、レッスンでの指導を補うために「体で何が起きているか」を理解する助けとして読んでいただけたら、という気持ちで書いています。

トゥシューズで立ちきれないと感じているなら

つま先だけに体重を乗せようとすると、かえって立ちきれないことがあります。

足の先端だけを「点」で押しつけようとすると、体全体がぐらっと揺れやすくなります。大切なのは、床を下に向けて押す力と、体を真上に向けて引き上げる力が同時に働くこと。この二つが揃ったとき、足の真上に体が自然と乗ります。

足裏の筋肉——足の指で床をとらえる力——が弱いと、つま先を伸ばした形をキープしにくくなります。床に足を置いて、足の指でじんわりと床を感じながらバランスをとる練習が、ポワントの土台になります。

膝を伸ばして、足首・膝・股関節・体幹が一本の線のように積み上がる感覚(アライメント=体の並び)も意識してみてください。どこかが前後にずれると、真上に乗る感覚が出にくくなります。

甲が出ないと感じているなら

甲の高さには、骨格的な個人差があります。骨の形は無理に変えようとするものではありません。その前提で、いくつか整理してみます。

甲の見え方は、骨格そのものだけで決まるわけではなく、アライメントや引き上げ、足首の柔らかさによっても変わります。

一つ注意してほしいのが、「足首を引っ張り上げて甲を作ろうとする」動きです。甲が出なくて焦っているとき、無意識にやってしまいがちなのですが、こうすると足首まわりのスジが固まってガチガチになり、かえって不安定になります。

力で形を作るのではなく、足首や甲の可動域を少しずつ柔らかくしていく方向を選ぶほうが、長い目で見て安心です。

ルルベ(かかとを上げて立つ練習)のときに、プリエをしながら甲を前に出すようにストレッチするなど、無理のない範囲で足首の柔らかさを育てていく練習があります。詳しいやり方は先生に聞いてみてください。

ぐらついてしまうと感じているなら

足首だけで頑張って立とうとすると、ぐらつきやすくなります。

ポワントは、足先だけで体を支えているわけではありません。床を突き刺すように押しながら、体を真上に向けて引き上げ、体の中心(体幹)で全体を支える——この感覚が安定につながります。

足首がぐらつく原因のひとつが、ターンアウト(つま先の外開き)を足首だけでひねって作ることです。股関節から自然に開いた向きで立てていると、足首への無理な負担が減り、安定感が変わります。

まずは、床の上で片足でまっすぐ真上に立つ感覚から確かめてみてください。ポワントの前に、ルルベでの安定感を丁寧に積み上げることが近道です。

ポワントに向けて、レッスンでもできる準備

ここでご紹介するのは、トゥシューズを履く前の準備として位置づけてください。ポワントで実際に立つ練習は、必ずレッスンで先生の指導のもとで行ってください。

ひとつ目は、ルルベの練習です。かかとをすっと上げて、また静かに降ろす。急がずに、一回一回を丁寧に。降りるときも、かかとをどすんと落とさず、そっと下ろすのがポイントです(急に落とすと足首や膝の負担になります)。バーを使いながら、真上に立つ感覚を積み上げていきます。

ふたつ目は、足裏を使う練習です。床の上でタオルを置いて足の指でつかんだり、足の指をグーパーと開いたりするだけで、足裏の細かい筋肉が目覚めてきます。座ってテレビを見ながらでも続けられます。

みっつ目は、足首と甲の可動域を柔らかくすることです。つま先を起こす(フレックス=つま先を手前に引く)と、つま先を伸ばす(ポワント=甲を前に送る)をゆっくり交互に繰り返す。強く引っ張らず、じんわりと動かす感覚で。

よっつ目は、真上に乗る引き上げの感覚です。立ったまま、体がふっとすっと伸びる感じを試してみてください。頭の先から足の裏まで、一本の糸でつながっているようなイメージが手がかりになります。

どれも無理をしないことが前提です。痛みや違和感があれば、すぐに止めて先生に相談してください。

足先だけで頑張っているうちは、なかなか変わらないとき

引き上げも意識している、床を押す感覚もある。それでも「立ちきれない」「ぐらつく」という場合があります。

ポワントの安定は、足首や足先だけの問題ではありません。体全体の引き上げ感や、動くときの力みの抜け具合が、土台として働いているからです。

力んで固まった状態では、足首の微妙な調整が難しくなります。頑張ろうとするほど全身がかちこちになる、という経験はありませんか。

体の使い方・状態が整ったら、ポワントで真上に乗りやすくなった、ぐらつきが減ったという方がいます。部分で頑張るより、全身の軸が整ったときに力みがすっと抜ける。動かす前に整える、という感覚です。

体の使い方についてもう少し知りたい方は、バレエで「肩の力を抜いて」と言われ続ける人へダンスの体幹は「鍛える」より「使う」もあわせて読んでみてください。

ターンアウトの土台についてはバレエのターンアウトができないもご覧いただけます。バレエの基礎的な軸の使い方はバレエの基礎と体の軸でも整理しています。

体の使い方についてもう少し知りたい方へ

ポワントに限らず、バレエ全体の動きを支える体の使い方についてまとめた記事があります。

「体の使い方が変わったら、ポワントが少し楽になった」という声もある内容です。

バレエで体の軸を作るメリット

バレエ全体の上達に関心がある方は、バレエが上手くなる方法もあわせてどうぞ。ジャンプについてはジャンプが上手くなる方法もご覧ください。

体の使い方を体験してみたい方へ

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