バレエのレッスンで、「肩の力を抜いて」「腕を固めないで」と何度も言われることはありませんか。
力を抜こうとしても、どこをゆるめればよいのか分からず、全身から力を抜くと今度は姿勢を保てなくなることもあります。
この記事では、バレエで余分な力が入りやすい場面と、動く前に確認したい5つのポイントを紹介します。
バレエで「力を抜く」とは、全身をゆるめることではない

バレエで「力を抜く」とは、全身をゆるめることではありません。姿勢や脚の位置を保つための力は使いながら、肩を持ち上げる、首を固める、手を握るといった、動きに必要のない力を減らすことです。
必要な力まで抜くと、立った姿勢や脚の位置を保ちにくくなります。一方で、肩や首を固めたまま動くと、腕を運べる範囲が狭くなったり、上半身の向きを変えにくくなったりします。
まずは全身を一度に変えようとせず、自分が力を入れやすい場所を一つ確認してみましょう。
バレエで余分な力が入りやすい4つの場面
余分な力は、特に次のような場面で入りやすくなります。
- ポジションの形を無理に作ろうとするとき
- バーを強く握って体を支えるとき
- 腕の勢いでターンを回ろうとするとき
- 足先だけを開いてターンアウトを大きく見せようとするとき
どの場面でも、形を大きくすることより、先生から指導されている姿勢と脚の向きを保てる範囲で動くことが大切です。
ポジションでは、足先だけを無理に開かない
1番ポジションでは、脚を股関節から外側へ回し、左右のかかとを合わせて立ちます。足先だけを大きく開くと、膝とつま先の方向がずれたり、足裏が内側へ倒れたりすることがあります。
5番ポジションでも、両足を無理に押しつけるのではなく、先生から指導されているターンアウトの範囲で脚の前後をそろえましょう。
ポジションを作ったら、膝とつま先の方向、足裏が床に触れている位置、上半身の傾きを確認してから次の動きへ進みます。
バーレッスンでは、バーを強く握らない
バーは、バーレッスン中のバランスを補助するものです。必要以上に強く握る、腕で体を引き寄せる、バー側へ体重を預け続けるといった使い方になっていないかを確認しましょう。
プリエやタンジュの途中でバーを握る手に力が入る場合は、動きを小さくしても上半身と骨盤の位置を保てるかを確かめます。
バーに置く手の高さや支え方は、先生の指導に合わせてください。
ターンでは、腕の勢いだけで回ろうとしない
ピルエットでは、プリエから軸脚の上へ立つ動き、動脚をルティレへ上げる動き、腕をまとめる動きをそろえます。
腕だけを先に振ると、上半身が軸脚の上から外れやすくなります。まず回転せずにパッセ・ルルベで立ち、次に腕と顔の動きを加えてみましょう。
視線を戻す練習は、ピルエットで目が回る原因とスポッティングのやり方で紹介しています。回転へ入る前の立ち方は、ピルエットが回れない原因と5つの確認ポイントもあわせてご覧ください。
回転中や着地で安定しない場合は、バレエのターンでふらつく原因と着地を安定させる5つの確認ポイントで、動きを分けて確認する方法を紹介しています。
ターンアウトは、力を抜くだけでは作れない
ターンアウトには、股関節を外側へ回す可動域だけでなく、その位置を支える筋力と動きのコントロールも必要です。力を抜くだけでターンアウトができるわけではありません。
足先だけを無理に外へ向けず、膝とつま先の方向をそろえ、姿勢を保てる範囲で使いましょう。
プリエをしたときに膝がつま先より内側へ入る、足裏が内側へ倒れる、骨盤が前後へ傾く場合は、足の開き方を小さくして確認します。
ターンアウトの形を作りにくい方は、バレエのターンアウトができないときの考え方も参考にしてください。
動く前に確認したい5つのポイント
動き始める前に、次の5つを確認します。
- あご、首、肩を固めていないか
- バーや手を必要以上に強く握っていないか
- 胸や肋骨だけが前へ出ていないか
- 膝とつま先の方向がずれていないか
- 息を止めたまま準備していないか
すべてを同時に直そうとせず、自分が力みやすい場所から一つ選びましょう。プリエやタンジュなど、ゆっくり行える動きで確かめてから、センターレッスンやターンへつなげます。
体幹は、鍛えた力を動きへつなげる
体幹の筋力をつけることも大切ですが、鍛えた力をバレエの動きへつなげる練習も必要です。上半身を固めるのではなく、腕や脚を動かしても姿勢を保てるかを確認しましょう。
筋力トレーニングとダンスの動きをつなげる考え方は、ダンスに体幹は必要?筋トレを動きにつなげる5つのポイントで紹介しています。
肩に力が入る場面を詳しく確認したい方は、バレエで肩が上がる原因と、肩の力を抜く5つのチェックポイントもあわせてご覧ください。
よくある質問
大人から始めても、バレエは上達できますか?
大人から始めた場合も、ポジション、腕の運び、重心移動、音楽に合わせるタイミングなどを少しずつ身につけられます。一度にすべてを変えようとせず、先生から注意されたことを一つずつ確認しましょう。
「力を抜いて」と言われても、抜き方が分かりません。
まず、肩、首、手、足の付け根など、どこに余分な力が入っているのかを確認します。全身をゆるめるのではなく、姿勢を保つ力は残したまま、動きに必要のない力を減らしてみてください。
力を抜くと姿勢が崩れてしまいます。
姿勢を支えるために必要な力まで抜いている可能性があります。先生に確認しながら、肩や手など力を減らす場所を一つに絞り、プリエやタンジュのようなゆっくりした動きで試してみましょう。
体の使い方から確かめてみたい方へ
ここで案内しているのは、バレエの技術指導やバレエレッスンではありません。イスから立ち上がる動作などを通して、立ったときや体重を移したときに、肩や脚のどこへ力が入りやすいかを確かめる体験です。

