バレエにはたくさんの種類のターンがあります。
ピルエット、フェッテ、ピケターン、シェネ、スートゥニュ……レッスンで先生に名前を呼ばれても、正確にどんな動きだったか、ふとあやふやになることもあるかもしれません。
この記事では、バレエの代表的なターンの種類と名前を整理しながら、それぞれの動きの特徴とつまずきやすい点を書いていきます。最後に、ターンの種類を超えてどれにも共通している体の使い方の話もします。
ピルエット|その場でくるりと回る、ターンの基本

ピルエットは、バレエで最もよく登場するターンのひとつです。片足のパッセ(片方の膝を上げた形)のまま、その場で回ります。
「ターンといえばピルエット」と言えるほど基本的な動きですが、だからこそ奥が深いです。先生から「軸足にちゃんと乗って」「上半身に力を入れないで」と言われ続けている方も多いのではないでしょうか。
腕や肩に余分な力が入ると、体の中心がぐらぐらしやすくなります。「回ろうとするほど体が固まる」感覚を経験したことがある方は多いのではないでしょうか。1回転のうちはどうにかなっても、2回転になると視界が流れやすくなります。
ピルエットで目が回りやすいとき体の中で何が起きているかは、ピルエットで目が回る原因と、軸をまっすぐ保つ体の使い方で詳しく書いています。1回転から2回転へのステップについては、バレエのダブルターンが崩れるとき、何が起きているのかも参考にしてみてください。
フェッテ・アン・トゥールナン|片足で蹴りながら連続して回る
フェッテ・アン・トゥールナンは、蹴り足(バットマン)を繰り返しながら連続して回るターンです。「白鳥の湖」の黒鳥が32回転するシーンで有名で、多くの人が一度は見たことがあるかもしれません。
ピルエットと違うのは、毎回の回転ごとに蹴り足の動きで推進力を作り直す点です。体の中心がしっかりしていないと、回転のたびに少しずつ外側に流れていきやすくなります。
「蹴るたびに体が傾いていく」という悩みが出やすいのはこのためです。蹴り足の力に頼りすぎると、軸足がぐらつき、回転が崩れやすくなります。蹴り足より先に、体の状態が整っているかどうかが安定の鍵になってきます。
ピケターン|空間を移動しながら回る

ピケターンは、移動しながら回るターンです。足を伸ばして床を突くように踏み込み(ピケ)、そのまま回転します。バリエーションや舞台でも頻繁に使われ、連続で何回も回る場面も多いです。
動きとしては、踏み込み→回転→着地を繰り返しながら空間を移動していきます。「スパイラルのように移動しながら回る」というイメージです。
「踏み込んだ瞬間に体が傾く」という感覚が出やすい場所でもあります。ピケ(踏み込み)で足を下ろすとき、重心がずれると回転の入りで不安定になります。踏み込む前から体の重心がすっと一本になっているとき、回転が入りやすくなります。
シェネ(シェネ・デブレ)|小刻みに移動しながら連続して回る
シェネは、両足を交互に小さく踏み換えながら連続して回るターンです。正式にはシェネ・デブレとも呼ばれます。ピケは大きく一歩ずつ踏み込んで移動するのに対し、シェネは細かく刻んで速く移動するのが特徴です。
「小さく、速く、ぐるぐる回る」というイメージで、舞台では流れるような連続ターンとして使われることが多いです。
後半になるほど「首の疲れ」が出やすいのもシェネの特徴です。スポッティング(視線の基点を決めて顔を素早く返す)を繰り返すため、首への負担が大きくなります。顔の返しが間に合わなくなってきたとき、首を意識するより体全体の力みを確認するほうが変わりやすいことがあります。
スートゥニュ・アン・トゥールナン|両足でしっかり立って回る
スートゥニュは、両足を5番ポジションに引き寄せながら回るターンです。ピルエットが片足立ちで回るのに対して、スートゥニュは両足でルルベ(つま先立ち)になりながら回ります。
どっしりとした安定感がある一方で、「ただ回る」のではなく足をきちんと引き寄せるタイミングが大切です。
「5番に引き寄せるタイミングと回転のタイミングがずれる」という状態が起きやすい場所でもあります。足を引き寄せるより先に回転が始まってしまうと、体がぐらつきやすくなります。足と体が同時に動いてくる感覚が出てくると、回転が落ち着いてくることが多いです。
アティチュード・ターン|片膝を曲げた姿勢で回る
アティチュードターンは、上げた方の足の膝を曲げた形(アティチュード・デリエール=足を後ろに上げる形、またはアン・ナヴァン=前に上げる形)で回るターンです。パッセと似ていますが、足が伸びきらず曲がっているのが特徴です。
見た目に優雅さがある分、バランスがとりにくい形でもあります。上げている足の重さが体の後ろ(または前)にかかるため、軸足に全体重がまっすぐ乗っていないと、体が引っ張られやすくなります。
「上げた足に意識が向きすぎて後ろに引っ張られる」という感覚が出やすいのも、この形ならではです。上げた足より、軸足と体の中心線に意識が向いているとき、体が落ち着きやすくなります。
種類が違っても、回りやすい体には共通点がある

ここまでいくつかのターンを見てきましたが、どのターンも「回る動き」そのものではなく、回る前の体の状態が安定感を左右しています。
ピルエットで軸足に乗る、シェネで首が疲れる、アティチュードターンで後ろに引っ張られる……それぞれの形は違いますが、根底にあるのは同じことです。
力みが抜けて、体の中心がひとつにまとまっているとき、回りやすくなる。
逆に、回ろうとする意識が強くなるほど、どこかに余分な力が入りやすくなります。腕、肩、首、お腹……力みの場所は人によって違いますが、体のどこかが固まっていると、回転は思うようにいかないことが多いです。
ターンで安定しにくいと感じているとき、技術の問題としてとらえるより前に、体全体が力んでいないかを確認してみることが、変化につながりやすいです。
ターンのふらつきについてはより詳しく、ターンがふらついてしまうとき、体の中で何が起きているのかに書いています。
また、回転の安定に大きく関係しているパッセのバランスについては、パッセでぐらついてしまうとき、軸足で何が起きているのかも参考になると思います。
さらに、ピルエットがどうしても回れないという方は、ピルエットが回れない大人へで軸足に乗る感覚について書いています。
よくある質問
バレエのターンにはどんな種類がありますか?
代表的なものはピルエット・フェッテ・ピケターン・シェネ・スートゥニュ・アティチュードターンなどです。動きの特徴や使われる場面がそれぞれ違いますが、どれも体の中心(軸)がまっすぐ保てているとき、回りやすくなります。
ピルエットとフェッテの違いは何ですか?
ピルエットはパッセのまま「その場で回る」ターンです。フェッテ・アン・トゥールナンは蹴り足(バットマン)を繰り返しながら「連続して回る」ターンで、毎回の回転ごとに推進力を作り直します。どちらも軸足の安定が安定した回転につながります。
ターンが上手くなるにはどうすればいいですか?
回る練習を重ねることも大切ですが、力みが入りやすい体の状態では回数を増やしても変わりにくいことがあります。「回ろうとするより先に、軸がまっすぐ保てているか」を確認することが、変化につながりやすいです。特に肩や腕の余分な力みが抜けてきたとき、ターンが安定しやすくなる方が多いです。
体の使い方を、実際に体験してみることから
ターンの種類と名前を整理してみると、それぞれ動きは違っても、軸・力み・体の使い方という土台は共通していることがわかります。
「回ろうとすると回れなくなる」という感覚を抱えている方は、体の使い方から見直してみると変わりやすくなることがあります。


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