バレエのレッスンで「肩の力を抜いて」「肩が上がっている」と言われても、肩を下げようとするほど首や腕まで固くなることがあります。
肩が上がるときは、腕の高さ、呼吸、上体の姿勢、脚と腕を動かすタイミングなども確認する必要があります。この記事では、肩を無理に押し下げずに動くための5つのチェックポイントを紹介します。
「肩の力を抜いて」と言われる、あのレッスンの場面

バーレッスンやセンターで腕の位置を取ったとき、先生から「肩が上がっている」「もっとリラックスして」と言われる。でも、何をどう変えればよいか分からないまま次の動きへ進んでしまうことがあります。
肩を回したり、強く下げたりしても、腕を動かした途端にまた上がる場合は、肩だけでなく動作全体を分けて確認してみましょう。
肩を無理に下げ続けると、かえって動きにくくなる
腕を上げるときは、腕だけでなく肩まわりも動きます。そのため、肩をまったく動かさないように固定すると、腕が上げにくくなったり、首まわりへ力が入ったりします。
バレエで確認したいのは、肩を低い位置へ押し込めているかではなく、必要以上にすくめて首を短くしていないかという点です。肩を下げ続けるのではなく、首まわりを長く保ったまま腕を動かします。
肩が上がるのは、どの動きのとき?
肩の力を抜こうとする前に、どの動きで肩が上がるかを確認してみましょう。
- 腕を頭上へ上げたとき
- 片脚でバランスを取ったとき
- ピルエットのプレパレーションに入ったとき
- 振り付けの順番を考えているとき
- ゆっくりした動きで腕を保っているとき
腕を上げるときだけ肩が上がる場合と、片脚で立ったときに肩を固める場合では、確認する動きが異なります。
1.腕を少し低い位置で動かす
腕を高く上げようとすると、肩まで一緒に持ち上がることがあります。まずは腕の位置を少し下げ、首まわりを固めずに保てる高さを確認します。
その高さで肩、肘、手首の形を整えたあと、少しずつ腕を高くします。最初から決められた高さへ上げるより、どの位置で肩が上がるかを確認しやすくなります。
2.肩を一度上げて、力をゆるめる
肩が上がっているか分からないときは、両肩を耳へ近づけるように一度持ち上げ、そのあと力をゆるめます。
肩を強く下へ押し込むのではなく、持ち上げるために使った力をやめた位置を確認します。その位置から腕を動かし、すぐに肩をすくめていないかを見てみましょう。
3.胸を持ち上げすぎず、上体の位置を保つ
姿勢をよく見せようとして胸を強く持ち上げると、肋骨が前へ出て、首や肩まで固まりやすくなります。
鏡を横から見て、胸だけが前へ突き出たり、腰を強く反らせたりしていないかを確認します。上体の位置を保ったまま腕を動かせる範囲から練習しましょう。
4.腕を動かすときに息を止めない
振り付けや腕の形に集中すると、息を止めたまま肩を固めることがあります。
腕を上げるときに短く息を吐き、首やあごまで固まっていないかを確認してください。深く呼吸しようと頑張る必要はなく、普段どおりに息を続けられることを目安にします。
5.脚の動きを止めて、腕だけ確認する
脚、腕、顔を同時に動かすと、順番を追うために肩へ力が入ることがあります。
まずは両脚で安定して立ち、腕の動きだけを練習します。肩をすくめずに動かせたら、プリエやタンデュなどの脚の動きを加えます。最後に顔と目線を合わせると、どの動きを加えたときに肩が上がるか分かりやすくなります。
ピルエットとポールドブラで確認するポイント
ピルエットでは、プレパレーションで腕を構えたときや、回転へ入るために腕を閉じたときに肩が上がりやすくなります。腕だけを急いで動かさず、パッセと立ち上がるタイミングに合わせてください。
ポールドブラでは、腕を高くすることだけでなく、肩から肘、手首までの形を保つことが大切です。肩を無理に下げず、首まわりが詰まっていないかを確認します。
腕全体の動かし方は、ポールドブラを柔らかく見せる5つのコツでも詳しく説明しています。
肩の力を抜く練習は、動きを一つずつ加える
肩が上がりやすいときは、次の順番で確認します。
- 両脚で立ち、肩を一度上げてゆるめる
- 低い位置で腕だけを動かす
- 少しずつ腕の位置を高くする
- プリエなどの脚の動きを加える
- 顔と目線を合わせる
最初から振り付け全体で直そうとせず、肩が上がる動作を特定してから組み合わせていきましょう。
よくある質問
肩の力を抜くとはどういう状態ですか?
肩を低い位置へ押し込んだ状態ではなく、必要以上に肩をすくめず、首や腕を固めずに動かせる状態です。腕の高さを少し下げ、普段どおりに呼吸できる位置から確認してください。
力を抜いたら体が崩れませんか?
姿勢を支える力までなくす必要はありません。上体や腕の位置を保ちながら、肩をすくめる力や首を固める力を減らします。肩をゆるめると姿勢が崩れる場合は、腕の位置を下げ、両脚で立った状態から練習しましょう。
体の使い方から確かめてみたい方へ
肩が上がる動作を特定し、腕の高さや上体の位置を一つずつ確認すると、レッスン中にも修正するポイントが分かりやすくなります。
ここで案内しているのは、肩の力を抜くための治療や、ポールドブラなどのバレエ技術指導ではありません。イスから立ち上がる動作などを通して、腕を動かしたときに肩や首のどこへ力が入りやすいか、立った姿勢をどのように支えているかを確かめる体験です。

