一回ならできるのに、続けると体の中心がどこかへ行ってしまう
フェッテを続けようとすると、二回目か三回目で体の中心がすっと流れて、ぐらっと止まってしまう。最初の一回はなんとか回れるのに、そこから先が続かない。こんな覚えはありませんか。
フェッテは、片方の脚を横へ振り出しながら回転を続けていくターンだと言われます。一回ごとに脚の動きで回転の力を生み直していくので、ピルエットのように「一回回って止まる」動きとは、続け方の感覚が少し違います。
だからこそ、一回は回れても連続になった途端にうまくいかない、という壁にぶつかりやすい動きでもあります。うまくいかないのは、あなたのがんばりが足りないからではないかもしれません。
中心が安定しているほど、二回目、三回目も続けやすい
連続で回ろうとするとき、多くの場合「もっと勢いをつけなきゃ」という気持ちが強くなります。腕を大きく振ったり、脚を強く振り出したり、肩にぐっと力を込めたり。回転を止めないために、体のあちこちで力を足していきます。
ところが、その足した力が、かえって体の中心を横へ引っ張ってしまうことがあります。勢いをつけようとするほど中心が真ん中から離れて、次の一回に入りにくくなる。反対に、中心が安定しているほど、二回目、三回目も続けやすくなります。力を足すことより、中心が保たれているかどうかが効いてくる場面です。
回す力を足すより、中心がすっと戻ってこられるかどうか。そこが、連続して回れるかどうかの分かれ目になっていることがあります。
脚を「振って回す」より、軸が真ん中に戻ってくる感覚
フェッテは脚を鞭のように使う、とよく言われます。これはとても大切な感覚です。ただ、脚の振りだけを強めていくと、体が外へ開いて回転が続きにくくなることもあります。その脚の動きが生きてくるには、土台になるものがもう一つあります。
連続で回れている人を見ていると、脚を振っているというより、回るたびに体の中心がすっと戻ってきているように見えます。脚の動きと中心が別々ではなく、中心が真ん中に立っているから、脚の動きが次の回転につながっていく。そんな順番になっていることが多いです。
力みが抜けて中心が保たれていると、一回ごとに体がリセットされるような、ほんの短い間が生まれます。その間があると、次の一回に落ち着いて入っていける。回転数を増やすことより先に、この「軸が戻ってくる感覚」があるかどうかを確かめてみる価値があります。
一回ごとにリセットできると、次の一回が軽くなる
連続の回転でよく言われる「顔をつける」「目線を残す」という工夫も、体が力んだままだとうまく働きません。首や肩がこわばっていると、顔だけを速く動かそうとしても間に合わず、視界が流れて目が回りやすくなります。
逆に、上半身の力みが抜けていると、顔や目線が自然についてきて、一回ごとに前を向き直す間ができます。テクニックを一つずつ足していくより先に、体全体の力みが抜けているかどうかが、連続の回転を支える土台になっているのです。
力みが抜けた「回りやすい状態」は、言葉より体で
とはいえ、「中心を保つ」「力を抜く」という言葉は、頭で追いかけるほど難しく感じます。力を抜こうと意識した瞬間に、今度は別のところにぎゅっと力が入ってしまう。そういうことが起きやすい世界です。
力みが抜けて中心がすっと通った状態は、言葉で理解するより、一度体で味わってしまうほうが早いことがあります。「あ、これか」と感覚でつかめると、そこからは自分の体でたどり直せるようになっていきます。
よくある質問
フェッテが二回目で止まってしまいます。なぜですか。
一回目を回りきったあと、勢いを保とうとして腕や脚に力を足していると、その力が体の中心を横へ流してしまうことがあります。力を足すより、回るたびに中心が真ん中へ戻ってこられているかに意識を向けてみると、続き方が変わることがあります。
シングルは回れるのに、連続になると崩れます。
一回だけなら勢いで回りきれても、連続になると一回ごとに中心を立て直す必要が出てきます。ここで力みが強いと立て直しが間に合わず、二回目以降で崩れやすくなります。回数を増やす前に、一回ごとに中心が真ん中へ戻る間をつくれているかを確かめてみてください。
何回も回るには、脚の筋力が必要ですか。
筋力が関係する部分もありますが、力を込めれば回れるというものでもありません。力みが強いままだと、筋力があってもかえって中心が流れやすくなります。まずは力みを抜いて中心を保つ感覚が先で、筋力はその感覚を支える土台として後からついてくる、と考えると遠回りが減ります。
体の使い方から確かめてみたい方へ
フェッテのような連続の回転は、勢いや根性で押し切ろうとするほど、中心が流れて続かなくなりやすい動きです。力みが抜けて中心がすっと保たれた状態は、回転だけでなく、バレエのあらゆる動きの土台になっていきます。
連続で回るための力みの抜き方は、頭で覚えるより、一度体で味わってしまうほうが早いことがあります。回るたびに中心が戻ってくる、あの短い間の感覚。それを、体の状態を一緒に見ながら確かめていく時間です。

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